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抄録のご紹介ページ(一般演題)

一般演題2・抄録/地域活動・病児保育・育児支援


【2-1】地域での活動を振り返って~次世代へのバトンタッチ
*倉信 均1、倉信 均1
1. 梶原診療所

 1. 今までの地域における活動 1)「子育てが不安・病気について知りたい」という声をもとに、約40年間 「子育て教室」を開いてきました。受講生は10~15人で、年に7回の種々の職種の方々による講義を行ってき ました。450名以上の卒業生が生まれ、その約1割が地域で活動しています。 2)子どもの貧困層が増大してい く中で、ご飯を当たり前に食べられない子ども達が増えていました。この存在を知った後より「子ども食 堂」立ち上げました。 2. いかに次世代にバトンタッチしていくか 1)梶原診療所お地域活動は「子育て教 室」が中心です。この活動を継続することにより、多くの方々が子どもの健康について学び、卒業後地域に教 室を広めてくれました。また、事務局を担ってくれたスタッフ、地域の方々は、診察だけでなく、予防活動の 必要性を感じ積極的に参加してきたと思います。 2)2016年に「子ども食堂」を立ちあげました。活動をして いくうちに、地域ボランティアの参加が増え、学校、行政との関係も密になってきました。 一診療所ではな く、地域、行政も含めた地域活動の継続が必要です。

【2-2】病児保育事業の新型コロナウイルス流行とICT導入の影響分析
*園田 正樹1,2、森 浩輝3,2、吉岡 夏実4,2
1. 東京大学 産婦人科学教室、2. 株式会社グッドバトン、3. むさこのもりクリニック小児科・内科、4. 弘前大学医学部

 新型コロナウイルスの流行と共に病児保育室の利用率は減少した。この研究では、流行前後の利用率と ICT導入の効果を分析。
 市区町村、病児保育施設から2017〜2022年度のデータを用い、利用率を算出。
 病児保育支援システム「あずかるこちゃん」導入前後の利用率を比較した結果、利用率は導入前の28.9%か ら導入後の37.2%に上昇。しかし、抄録提出時点では解析施設数が少なく、有意差は確認できなかった。
 利用率上昇の要因は、ICT導入以外にも新型コロナウイルスの影響が緩和し、平時通りに利用者が戻ってき た影響があると考えられる。また病児保育事業の特性上、感染症の流行に伴う利用人数の増減は考慮する必要 がある。
 こども家庭庁(旧:厚生労働省)のICT導入補助金や「当日キャンセル対応加算」制度は、病児保育のICT導 入を推進している。

【2-3】新型コロナウイルス流行後の病児保育施設への利用相談についての検討
*馬場 一徳1、馬場 由樹恵1、浅沼 夏樹1、大野 初恵1、入倉 千代子1、山舘 有子1
1. ばば子どもクリニック 病児保育施設あおりんご

 【目的と方法】新型コロナウイルス(COVID-19)の流行後、流行前であれば幼稚園や保育園への登園がで きた状態でも登園を断られたり、児童の家族の利用について当施設に相談される例が増加したので、その内容 について検討した。 【結果】COVID-19流行後当施設の利用者数は減少したが、相談例は増加した。流行初期 は発熱は無いが感冒症状があるために登園を断られた例が多く、2022年度以降は解熱後も症状が消失するま で登園を断られたり、発熱した児の家族が無症状にもかかわらず登園を断られる例が増加した。 【考察】集団 生活を送る幼稚園や保育園の過度な対応により、登園可能にもかかわらず登園ができないことで児童や家族の 負担が大きくなると考えられる。医療側からの啓発も進めていく必要があると同時に、今後未知の新興感染症 が発生した際にも、今回の経験を活かして適切な対応ができるように準備する必要があると考えた。

【2-4】補助金に頼りすぎない病児保育室運営への挑戦~自主運営型病児保育室開 設1年半の実践報告~
*吉岡 淑隆1、吉岡 こず枝1、山﨑 明佳2、大塚 奈緒美2
1. 医療法人社団紡 つむぎこどもクリニック、2. みんなでつくる病児保育室つむぎのおうち

 【はじめに】病児保育室運営は約6割が赤字という現状において、補助金に頼りすぎない運営方法を模索す る必要性を感じていた。2021年10月、自治体からの委託を受けられず自主運営で開室し、補助金以外の運営 に取り組んできた実践の報告をする。 【実践報告】賛助会員制を導入し、2023年3月末時点で賛助会員171名 となった。計3回のクラウドファンディングで延べ461名の支援者から8,688,000円の支援があった。備品類は webと直接の持ち込みによる寄付で補充ができた。2022年度の延べ利用者数は1242名、1日利用者数は平均 5.4名だった。 【考察】クラウドファンディングや情報発信などにより、稼働率を上げることに繋がった可能 性がある。稼働率が上がると利用料からの収入が増え、委託施設であれば出来高分の補助金が増えることが予 想される。 【結語】情報発信や地域が参加しやすいツールを作成し、寄付や稼働率の上昇に繋げることで、病 児保育室の運営が少しでも改善することを期待している。

【2-5】小児科クリニックと助産院の連携した育児支援
大木 丈弘1、*若木 博子1、野口 智子1
1. おおきこどもクリニック

 当院は育児支援の一環として、2018年に小児科クリニックと連携した「おひさまハウス助産院」を併設 し、「母乳育児相談」として出生後から年齢問わず育児において不安を抱える母子に関わっている。ま た、2021年から地域の「産後ケア事業」にも介入して活動している。 小児科併設の「おひさまハウス助産 院」の特徴は、助産師の視点から関わりを持ち、小児科医およびクリニックスタッフと連携をすることで、母 子を両面からサポートできることである。相談内容では、育児不安、児の成長・発達の不安など様々であ る。小児科医による乳幼児の身体所見の診察に加えて、哺乳状況、授乳方法、母子愛着形成など助産師の専門 性を活かした視点からも総合的にケアし、個別性のある支援につなげている。お子さまが健康に成長し、母親 およびご家族が笑顔で自分達らしい育児をしていけるように、個々に合わせた支援についての活動報告をす る。

【2-6】子どもの権利条約にある権利に関する子どもと共に行う研究 COVID-19パンデミック下の国際比較
*武内 一1,3、佐藤 洋一2、Baroudi Mazen3、千 恵蘭4、Malale Tungu5、朴 光駿1、田中 智子1、長瀬 正子1、小林 美津江1
1. 佛教大学社会福祉学部、2. 和歌山生協病院、3. ウメオ大学疫学とグローバルヘルス学科、4. ウィズコミュン協同 組合、5. ムヒンビリ健康科学大学開発研究科

 はじめに 新型コロナウイルス感染症によって、2020年3-5月の突然の学校閉鎖、その後の分散登校などで子 どもたちの日常は大きく制約を受けた。目的 子どもの権利条約(CRC)第12条に基づき、コロナ禍にある子ども たちが、権利条約の各条文に関する対話を通じて社会や政治への意見を発信する。方法 グローバル子どもの権 利対話は、10歳から17歳の子どもたちによって実施され、1チームの人数は5-6人である。一つのグループで CRCの二つの条文の権利対話に取り組み、政策提案を発表する。結果 日本、韓国、スウェーデン、タンザニア でGCRDが行われた。日本国内で行われた第2条誰も差別されない権利の話し合いでは、4つの政策が提案さ れ、その一つが性別をなくすであった。結論 子どもたちは、自分たちの言葉で自らの権利を前に進める政策提 言をする力がある。CRC第12条の権利を前に進めるためにも、子どもたち自身が子どもに関わる政策決定に関 与できる必要があ